卒業シーズン

2025年3月4日

春の訪れとともに、卒業シーズンがやってきました。新たな生活に胸を躍らせるこの時期、「何か新しいことを始めたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

当教室は、開設から47年を迎えました。地域の皆様とともに歩んできたこの年月の中で、たくさんの生徒さんと出会い、共に筆を取り、文字と向き合ってきました。書道を通じて、ただ字を美しく書くことだけでなく、集中すること、努力を積み重ねることの大切さも伝えてきました。

日本習字における漢字部の最高段位は八段です。当教室では、毎年10名前後の小学生や中学生の生徒が生徒部八段位に合格しています。年齢を問わず、ひたむきに筆を持ち続ける姿は本当に素晴らしく、私たち指導者にとっても大きな励みとなっています。

これまで生徒部と成人部を合わせて300名以上の八段位合格者を送り出してきましたが、どの生徒さんにも共通しているのは、集中力とやる気を持ち続ける姿勢です。書道は、練習を重ねることで確実に上達します。しかし、その道のりは決して楽なものではありません。思うように筆が動かない日もあれば、納得のいく字が書けず悩むこともあります。それでも、自分の目標を見つけ、一歩ずつ歩みを進めることが、書道では何よりも大切です。

そんな日々の積み重ねが、やがて自信へとつながり、生徒さんたちはこんな嬉しい言葉を届けてくれます。

「学校で先生やお友達から“字が上手だね”と褒められた」
「学校の硬筆展で県金賞をとった」
「学級目標を教室に大きく書いてほしいと先生に頼まれた」
「孫のために命名書を書いてあげた」
「毎年、床の間に飾る掛け軸を自分で書くのが楽しみになった」

デジタル時代だからこそ、手書き文字の温かさを大事にし、楽しんで書道を続けてほしいです。